Before (改善前)

工作機械の室内カバー、ユニット装置やユニット機器の外装カバーにおいて、板材を重ねてスポット溶接を行うことがあります。しかし、板材の重なり合う部分が10mm以下の場合、板材同士の重なり合う面積が小さすぎてチップがはみ出し、”ヒゲ”と呼ばれる広がった溶接痕が発生したり、溶着具合が安定しないという品質不良が発生しがちになります。また、溶接位置がズレてしまうと、溶着部分が材料からはみ出してしまい、外観不良や溶着不良を引き起こします。

V

After (改善後)

板材の重なり部分を15mm以上確保することで、スポット溶接面の溶着具合を安定させることができます。また、板材が15mm以上重なっていれば、スポット溶接のチップが板材からはみ出すこともないので、”ヒゲ”の発生も防止することができます。特に、工作機械やユニット装置・ユニット機器の外装面に使用されるカバーの場合、溶着の安定性はもちろん、外観の美しさも同時に要求されるので、スポット溶接の際には注意をしなければなりません。

POINT(要約)

TIGや半自動溶接などで全周溶接を行うと、熱による歪みが大きく発生してしまうので、スポット溶接にて薄板板金品の溶接組み立てを行うことがよくあります。しかし、上記のように板材の重なりあう箇所が少なすぎると、溶接不良や外観不良を引き起こしてしまうので注意が必要です。